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すぐそこの島へ-伊豆大島2004- -06-

撤収の日が来た。
一見穏やかな朝だが、これから雨になるという。
早めにキムチ鍋の朝食をとる。
肉もない味噌もないで、もうひとつうまみの感じられない鍋だが、あまり悠長なことは言っていられない。

食器洗いも簡単に済ませ、荷物の整理を始める。
もう少しで使い切れそうなガスボンベふたつは、最大出力で湯を沸かし続ける。

そうこうしているうちに雲行きが怪しくなってきた。
雨の中の撤収作業だけは避けたい。
祈りが届いたのか、荷物がまとまるまでは持ちこたえていた雨だが、出発のころにはとうとう降り出してきた。
危ない危ない。
あと5分遅かったら悲惨なことになっていた。
運が良いのか悪いのか。

パックカバーでバックパックを覆い、ジャケットのフードを被って折り畳み傘を広げる。
歩いて元町港の待合所へ行く。
乗船予定である15:00発の超高速ジェット船は、就航未定のようだ。
天候状況を見極めてからということになるらしい。
昼ごろには決まるというので、しばらくはここで待つことにした。

船が出るか出ないかでこの先の予定が変わってくるので早く決まって欲しいところだが、自然が相手なだけにどうしようもない。
高速船が欠航した場合、行きにも利用した「かめりあ丸」で帰ることになる。

出航は14:50だから高速船とほぼ同じだが、かかる時間はずいぶん違う。
高速船なら1時間で久里浜に着くが、客船だと4時間かかるうえに竹芝まで連れて行かれる。
できることなら早くて帰宅が楽なほうがいいが、安全第一なら文句は言えない。
どっちも欠航した場合は、そのとき考えるさ。

やきもきしつつ、近くの店で土産物を買う。
昼飯に寿司でも食べに行こうかと話していたのだが、近くには開いている店が見当たらなかった。

正午を少し回って案内板が係員の手によって更新される。
就航するという。
正直、波もあるし雨も強いので無理だと思っていたのだが、出るらしい。
半信半疑ではあるが、これで夕方には久里浜へ帰れることになった。

ターミナル前の土産物店に行き、バックパックなどの大荷物を宅急便で自宅に送ってもらう。
身軽になり、ちょっと安心もしたので、待合所2階のラーメン屋で塩ラーメンを食べる。
べっこう寿司も付いたセットはなかなかお得。
ちょっとしょっぱいがそれが島の味ということで、船が出ることが決まったいまなら何でも許せそうだ。

船の時間も近づいてきたので、タクシーで出帆港である岡田港へ。
東海汽船の案内所に着くと、ついさっき出ることが決まったはずの高速船が欠航することを知らせる無慈悲な現実が待っていた。
タクシーで移動中に扱い状況が変わったとしか思えない。
まあこんなことも船旅には付き物だ。
「かめりあ丸」でのんびり帰ることにするか。

外はいつしか大雨になっていた。
風も強くなっている。
高速船がどうこういう前に、大型船もこれでは結構揺れそうだ。
センパアを飲んで、覚悟を決める。


波風に煽られる船体を見ると、弱気な気分にさせられる

乗船の案内があり待合所を出て桟橋に向かうと、そこはまさに阿鼻叫喚。
強風と大雨が横殴りに吹き荒れ、乗船客を絶え間なく襲う。
前もよく見えない中で係留された船に辿り着いたときには、ジーンズも靴も水に浸かったようにずぶ濡れであった。

あきらめ半分で、そのうち乾くだろうとそのまま席に着く。
船酔いするのもいやなので、毛布を借りて寝てしまうことにした。
しかしとくに眠いわけではないので、簡単にはいかない。
目を開けたり閉じたりして、まんじりともできない時間を過ごしていた。
船は思ったほどには揺れなかった。

結局寝るのをあきらめ、ビールとじゃがりこで暇つぶし。
あまりにも揺れないので、停泊してるのではないかと思っていると、船内放送が流れた。
「東京湾を出航する大型船の影響で信号待ちとなっております」
「竹芝到着は予定より遅れ、20:10を予定いたしております」
そんなバカな。
周りの船を停めてまで出港する大型船とはどれほどのものなのだろう。
海上には分からないことが多くて、ちょっとミステリアスだ。
腑に落ちない気持ちのまま、ただただ巨大で実体のない大型船の姿を空想して過ごしていた。

19:50に竹芝到着。
当初の予定では久里浜に帰り着くはずだったから、ここから帰宅するのにもうひと苦労だ。
しかも東京は雪が積もっているではないか。
とても寒い。
キャンプ生活でそれなりに寒さと戦ってきたつもりだが、都心の一層の寒さには閉口した。


陸に上がると雪国であった

おなかも減ったので、浜松町界隈で寿司でも食べようと店を探すがどこも開いていない。
それはそうかもしれない。
きょうは大晦日だ。
仕方なく、居酒屋「包丁や」(芝大門店)で無事の帰還を祝って乾杯。
帰りは大門駅から京急で舟を漕ぎつつ帰途についた。

出迎えてくれた犬と戯れ、久しぶりにわが家の匂いをかぐ。
荷物を簡単に整理して、ゆっくりと風呂に入る。
風呂上りもストーブで部屋は暖まっているので湯冷めすることもない。
スイッチひとつで眩しいくらいの明かりに照らされる。
ふだんいかに便利な世界で暮らしているかを実感する瞬間だ。
キャンプ帰りだからこそ感じることのできるこの気持ちは、日ごろのストレスをリセットすると同時に得られる貴重な感情だと確信していた。
(2005/08/27)

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