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西日本、転々記 5日目 -大阪-

▼ 大阪

09:45にホテルをチェックアウト。
三ノ宮駅構内の立ち食いできつねうどんとおにぎりで朝食をとる。
快速、新快速とさまざまな電車が走っているが、あえて普通を乗り継いで大阪へ出る。
座ってのんびり行きたいだけであるが。

向かいにスキンヘッドにスーツ、サングラスの御仁がいらっしゃる。
とにかく目を合わさないように最大限気を配る。

大阪駅で荷物をコインロッカーに預け、ミナミの方向へ散歩に出る。
すでに正午だ。
にわかに人通りが多くなってきた。
そういえばここは、くいだおれの町大阪だ。
乗り遅れぬよう、早く食事にありつかなければ。

しかし大阪のひとは本当に信号を守らない。
待ってられないとばかりに青になる前から歩き始めるのが基本のようだ。
こっちも負けてはいられない。
大阪人に倣って信号無視してみる。

▼ 道頓堀

心斎橋から御堂筋を経て、いつのまにかどこかで見た景色が広がる。
ここが戎橋というらしい。
阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を決め、日本シリーズ真っ只中である。
グリコのネオン看板も阪神の縦縞ユニフォームに衣替えしている。
橋の欄干に沿って、携帯のカメラを向ける人だかりができている。


オンパレード

女の子のふたり連れに頼まれて、カメラのシャッターを押す。
ひとり旅だと、人物写真を撮る機会は皆無だからちょっとどきどきしてしまう。




言わずもがな

道頓堀商店街を進んでいくと、行列のできるたこ焼屋を発見。
これだけ並んでいるのだからうまいに違いないと思い、さっそく列に加わる。



「大阪名物 赤鬼のたこ焼き」で、赤鬼セット(醤油味のたこ焼き6個とコーラLLサイズ)を注文。
ドリンクカップの上にへこんだふたを乗せ、そこにたこ焼きが詰まっている。
道端のベンチではふはふ。
熱々でうまいじゃないか。
しかしまだまだ倒れるのは早い。

さらに進んでいくと右手の角にひときわ目立つ龍の看板が突き出していた。
ラーメン屋のようだ。
屋台感覚のその店では、阪神優勝セール中のためラーメン一杯500円だという。
さっそく食券を購入。



マイルドなとんこつの白湯スープは、気軽に食べられるこの店の形態に良く合っているのだろう。
細ストレート麺に、結構おいしいチャーシューが3枚。
メニューはラーメンとチャーシューメンというシンプルな設定。
店先には広々とした茣蓙の敷かれた台があり、その上にテーブルが置かれている。
海の家に似た雰囲気だ。


最下段の道路標識が異色


言わずもがな パート2

▼ 通天閣

目的がないようでいて、じつは通天閣を目指している。
もっとも大阪を象徴する建造物のような気がするからだ。
大雑把には通天閣の方向へ歩いているはずなのだが、なかなか見えてこない。
高さがあるからすぐに分かるものだと思っていたが、甘かったようだ。

電気街を抜け、さらに南へ進むと通天閣が見えた。
浪速警察署前の交差点で地下道に潜る。
地上に出ると通天閣はもう目の前だった。


思っていたよりも低かった

通天閣のたもとや周囲をうろうろ歩き回っていると、時代錯誤に陥った気がした。
ここは時の流れから取り残されているのだろうか。
近代的なものを自ら排除したかのように、そこには数十年は昔の町の姿が浮かび上がっていた。
狸か狐に化かされているとしか思えないような怪しげな雰囲気と相まって、そこは新世界という名の異次元と化していた。



すべては作り物の映画村ですよと言われたら納得したかもしれない。
どういうわけか「浅草六区」という言葉を思い出していたが、それとも違う。
そこにいなければ感じることのできない独特の空気に包まれていた。

▼ 帰路へ

そこから歩いてなんばまで戻る。
とにかく一日中歩き回っていたので、どこかで休もうと思った。
滅多に入ることはないのだが、喫茶店とかカフェとかを探して駅の中や周囲をまわった。
しかし、どこもひとでいっぱいだった。
平日だというのに、ひとの多さはさすが大阪だ。

小一時間は探しただろうか。
やっとの思いで地下鉄の改札近くに「Cafe de Clever」という店を見つけて入店。
小腹もすいたので、カフェオレとモンブラン風のパンも一緒に注文した。

やっと少し落ち着くと、こんどはここから大阪(梅田)へはどうやって帰ろうかなどと考えていた。

文章には表れてこないが、じつはもうこのころになると頭の中の大部分は大阪弁で満たされていた。
まるで自分が小さいころから大阪で暮らしていたかのように、それはごく自然なことのように感じられるほどだった。
たった一日で、私というひとりの人間にここまで大きな影響を与えてしまうとは、恐るべき自我を持った町である。

地下鉄御堂筋線で梅田に出ると、コインロッカーから荷物を出して新大阪へ向かった。
新幹線に乗車する前に串かつを食べ忘れていたことを思い出したので、駅構内の「かつよし」という店に入る。
カウンター席に座り、生ビールセット(串かつ、小鉢、生ビール)で軽く食事をとった。

コンコース内の売店で土産を見繕い、ホームに上がる。
はじめて「のぞみに乗ったよ」って感じで、ちょっとドキドキする。
モルツも買ったし、思い残すことはもうない。

しかし、旅に出ている期間が日本シリーズと重なっていた上に、山陰から近畿を転々としていたのでどうしても阪神タイガースが気になってしまう。
自分はいつから虎党になったのだろう。

京都と名古屋に停まった後は、もう新横浜までノンストップだ。
サンライズ出雲に乗ったのが、ずいぶん昔に感じられる。
とても同じ乗り物とは思えない。
離陸間近の飛行機に延々と乗っている感覚すらある。
かなり遠くの景色のはずなのに、あっというまに流れては消えていく。

出がけに買った文庫本は、結局1ページも開くことはなかった。
かなりの距離を電車で移動したが、最後まで車窓の景色に飽きることはなかった。

▼ 終着

新横浜に着くと寒かった。
横浜からはグリーン券を買って久里浜行きの横須賀線電車で帰る。
旅のときくらいは、こんなささやかな贅沢もいいだろう。

横須賀線のグリーン車は基本的に2階建て車両だが、扉近くの2階建てになっていない部分の席に陣取る。
途中で車掌が、
「よかったら足伸ばしますか」
と言って、前の席を回転させてくれた。
こんなちょっとした心遣いが、旅の終わりを快く演出してくれる。

阪神は3連勝だ。
このまま行けるかな。

今回の旅で、いちばん印象に残ったのはなんだろうか。
旅で見かけたいろんな人達の顔が浮かぶ。
きっとどれもすぐに忘れてしまう顔だろう。
素通りしていく思い出の数々。
ほんのひととき垣間見た情景が脳裏に浮かぶ。

横須賀線の揺れが心地よい。
電車は終点久里浜駅に着いた。
しかし、起きてこない客は、ひとりやふたりではない。

京急に乗り換えようと歩いていると、雨がぱらつきだした。
これまでほとんど雨に降られることがなかったので、とうとう耐え切れずに降り出してきたようだ。

最終日に一日いただけなのに、頭の中は大阪のことで占められている。
日本のようで、日本でない気さえする。
いや、いかにいままで自分が狭い世界で生きてきたかということだろう。
実際には見慣れたはずの町並みまでが、どこか夢見心地だった。


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