最近見た映画
2009年08月18日(火) [ 映画 ]
クライマーズ・ハイ (音あり) ★★★
1985年に発生した日本航空123便墜落事故を題材に、墜落の地元となった群馬県の架空の地方新聞社を舞台とした映画。事故が起きた時の状況や、それに対する政府や社会の動き、全国紙およびテレビ各社の動きなどを交えた上で、横断的にドキュメンタリータッチで進行する映画ではまったくない。
つねに北関東新聞社の内部に視点はある。
この事故を総括するような内容を期待すると肩すかしを食らうが、その手のドキュメンタリーや現実の報道を私たちはこれまでにいくつも見てきている。
それならばとこの映画(というか原作)は、最初から最後まで地方新聞社の視点を通して事故の姿を照らし出そうとした。
社内には内紛や力関係などが緊切に存在し、ことのほか前面に迫り出してくる嫌いはあるが、たんなる苦労話、それに纏わる美談で終わらせていない辺りには好感が持てた。
いちばんきれいな水 ★★★
12歳の夏美(菅野莉央)には、7歳年上の姉、愛(加藤ローサ)がいる。しかしその姉は、11年前から病気で寝たきり、というか眠り続けている。
眠ったまま、からだだけは成長していく姉。
でも頭の中は、8歳当時のまま止まったままだ。
夏美は1歳だったが、いまはもう姉の精神年齢を超えている。
両親不在の折、そんな姉が突然目を覚ます。
しっかり者で優等生の夏美にとって、茨姫である姉は憧れでもあったわけだが、現実には手のかかる妹のような存在として現われた。
慌てふためく夏美をよそに天真爛漫にはしゃぎ回る愛という構図が、ストーリーの軸となる。
眠り続ける原因となった病気については語られないし、突然起き出して若干の違和感を感じながらも日常生活に溶け込んで行く辺りはファンタジーだ。
しかし(意図的かもしれないが)ファンタジーに徹し切れていないので、見ている側としてはこれを夢見物語としていいのか、現実問題として捉えるべきなのかがはっきりしない。
いっそのこと空でも飛んでくれれば、方向性がはっきりして分かりやすいファンタジーとして楽しめたのかもしれない。
ちーちゃんは悠久の向こう ★★★
幼馴染みのちーちゃんに振り回されつつも、平凡な高校生活を送っている主人公「モンちゃん」役は、『バッテリー』の林遣都。オカルト好きでモンちゃんを振り回す方のちーちゃん役は、スウェーデンの血が入ったクオーターの仲里依紗。
林が1990年生まれ、仲は1989年生まれと、実年齢では1歳しか違わないが、林は幼く仲は大人びて見える。
どちらも存在感のある演技を見せていたが、相対的な年齢のギャップがふたりのキャストの間にわずかな壁を感じさせ少々残念だった。
学校の七不思議を絡めるなど、展開は飽きさせない。
しかしこの映画に施されたある仕掛けには、多くの人が容易に気がつくことだろう。
原作や予告編を見ている人には分かりきったことなのだろうが、この点をもう少し丁寧に扱ったらもっと面白い作品に仕上がったに違いない。
ある重要な役柄の人が最後まで棒読みだったことも残念だった。
雰囲気は悪くないのだけれども。
それでも青春映画に欠かせない瑞々しさは十分に見え隠れしていたと思う。
スマイル 聖夜の奇跡 (音あり) ★★★
陣内孝則が原作・脚本・監督を務めた小学生アイスホッケーチームの青春スポーツ映画。北海道を舞台に、弱小チームが難病と闘う少女のためにメキメキと力をつけていくという王道ストーリーである。
コミカルというよりはギャグそのものに彩られた前半部分で、かなり好き嫌いは分かれると思う。
しかし中盤から後半へかけて、"The Little Drummer Boy"というクリスマスソングが印象的に使われ、物語は大きく盛り上がっていく。
斜に構えず、純粋に楽しむ気持ちがあれば想像以上に感動できる映画だ。
友情出演という形で、塚本高史、佐藤浩市、寺島進などが出演しているが、なかでも玉木宏の使われ方にはウケた。
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