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濱壱家

仕事の後に、国道16号沿い、星川駅近くの「濱壱家(千家の姉妹店)」へ。
ネギラーメン(並)と味付け玉子を注文。
1年ほど前に来たときは、多少スープにくどさとくさみを感じた覚えがある。
しかし、ずいぶんおいしくなったような気がする。
くせのない、バランスのとれたいいスープだ。
麺もかためでちょうど良い感じ。
「千家」系列に良く見られる、てんこ盛りのネギはピリから仕立て。
味付け玉子は最初から半欠けら入っていた。
月曜日定休で、11:00~05:00の営業。
この味ならまた来てもいいな。

金龍ラーメン

大阪・道頓堀商店会にあるラーメン屋。
戎橋から「くいだおれ」のある通りを進んでいくと、右側に巨大な龍のオブジェで飾られた真っ赤な看板が見えてくる。
ふだんは650円のラーメンが、阪神優勝セールで500円になっていた。
食券制。
屋台に近い感じで、店先に出された台の畳の上にテーブルが置かれている。
マイルドなとんこつスープに細ストレート麺で、気軽に食べられる雰囲気。
キムチ、ニラなどが入れ放題。
注文したのはふつうのラーメンだが、3枚も入っていたチャーシューは結構うまい。
メニューはラーメンとチャーシューメンのみ。

西日本、転々記 5日目 -大阪-

▼ 大阪

09:45にホテルをチェックアウト。
三ノ宮駅構内の立ち食いできつねうどんとおにぎりで朝食をとる。
快速、新快速とさまざまな電車が走っているが、あえて普通を乗り継いで大阪へ出る。
座ってのんびり行きたいだけであるが。

向かいにスキンヘッドにスーツ、サングラスの御仁がいらっしゃる。
とにかく目を合わさないように最大限気を配る。

大阪駅で荷物をコインロッカーに預け、ミナミの方向へ散歩に出る。
すでに正午だ。
にわかに人通りが多くなってきた。
そういえばここは、くいだおれの町大阪だ。
乗り遅れぬよう、早く食事にありつかなければ。

しかし大阪のひとは本当に信号を守らない。
待ってられないとばかりに青になる前から歩き始めるのが基本のようだ。
こっちも負けてはいられない。
大阪人に倣って信号無視してみる。

▼ 道頓堀

心斎橋から御堂筋を経て、いつのまにかどこかで見た景色が広がる。
ここが戎橋というらしい。
阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を決め、日本シリーズ真っ只中である。
グリコのネオン看板も阪神の縦縞ユニフォームに衣替えしている。
橋の欄干に沿って、携帯のカメラを向ける人だかりができている。


オンパレード

女の子のふたり連れに頼まれて、カメラのシャッターを押す。
ひとり旅だと、人物写真を撮る機会は皆無だからちょっとどきどきしてしまう。




言わずもがな

道頓堀商店街を進んでいくと、行列のできるたこ焼屋を発見。
これだけ並んでいるのだからうまいに違いないと思い、さっそく列に加わる。



「大阪名物 赤鬼のたこ焼き」で、赤鬼セット(醤油味のたこ焼き6個とコーラLLサイズ)を注文。
ドリンクカップの上にへこんだふたを乗せ、そこにたこ焼きが詰まっている。
道端のベンチではふはふ。
熱々でうまいじゃないか。
しかしまだまだ倒れるのは早い。

さらに進んでいくと右手の角にひときわ目立つ龍の看板が突き出していた。
ラーメン屋のようだ。
屋台感覚のその店では、阪神優勝セール中のためラーメン一杯500円だという。
さっそく食券を購入。



マイルドなとんこつの白湯スープは、気軽に食べられるこの店の形態に良く合っているのだろう。
細ストレート麺に、結構おいしいチャーシューが3枚。
メニューはラーメンとチャーシューメンというシンプルな設定。
店先には広々とした茣蓙の敷かれた台があり、その上にテーブルが置かれている。
海の家に似た雰囲気だ。


最下段の道路標識が異色


言わずもがな パート2

▼ 通天閣

目的がないようでいて、じつは通天閣を目指している。
もっとも大阪を象徴する建造物のような気がするからだ。
大雑把には通天閣の方向へ歩いているはずなのだが、なかなか見えてこない。
高さがあるからすぐに分かるものだと思っていたが、甘かったようだ。

電気街を抜け、さらに南へ進むと通天閣が見えた。
浪速警察署前の交差点で地下道に潜る。
地上に出ると通天閣はもう目の前だった。


思っていたよりも低かった

通天閣のたもとや周囲をうろうろ歩き回っていると、時代錯誤に陥った気がした。
ここは時の流れから取り残されているのだろうか。
近代的なものを自ら排除したかのように、そこには数十年は昔の町の姿が浮かび上がっていた。
狸か狐に化かされているとしか思えないような怪しげな雰囲気と相まって、そこは新世界という名の異次元と化していた。



すべては作り物の映画村ですよと言われたら納得したかもしれない。
どういうわけか「浅草六区」という言葉を思い出していたが、それとも違う。
そこにいなければ感じることのできない独特の空気に包まれていた。

▼ 帰路へ

そこから歩いてなんばまで戻る。
とにかく一日中歩き回っていたので、どこかで休もうと思った。
滅多に入ることはないのだが、喫茶店とかカフェとかを探して駅の中や周囲をまわった。
しかし、どこもひとでいっぱいだった。
平日だというのに、ひとの多さはさすが大阪だ。

小一時間は探しただろうか。
やっとの思いで地下鉄の改札近くに「Cafe de Clever」という店を見つけて入店。
小腹もすいたので、カフェオレとモンブラン風のパンも一緒に注文した。

やっと少し落ち着くと、こんどはここから大阪(梅田)へはどうやって帰ろうかなどと考えていた。

文章には表れてこないが、じつはもうこのころになると頭の中の大部分は大阪弁で満たされていた。
まるで自分が小さいころから大阪で暮らしていたかのように、それはごく自然なことのように感じられるほどだった。
たった一日で、私というひとりの人間にここまで大きな影響を与えてしまうとは、恐るべき自我を持った町である。

地下鉄御堂筋線で梅田に出ると、コインロッカーから荷物を出して新大阪へ向かった。
新幹線に乗車する前に串かつを食べ忘れていたことを思い出したので、駅構内の「かつよし」という店に入る。
カウンター席に座り、生ビールセット(串かつ、小鉢、生ビール)で軽く食事をとった。

コンコース内の売店で土産を見繕い、ホームに上がる。
はじめて「のぞみに乗ったよ」って感じで、ちょっとドキドキする。
モルツも買ったし、思い残すことはもうない。

しかし、旅に出ている期間が日本シリーズと重なっていた上に、山陰から近畿を転々としていたのでどうしても阪神タイガースが気になってしまう。
自分はいつから虎党になったのだろう。

京都と名古屋に停まった後は、もう新横浜までノンストップだ。
サンライズ出雲に乗ったのが、ずいぶん昔に感じられる。
とても同じ乗り物とは思えない。
離陸間近の飛行機に延々と乗っている感覚すらある。
かなり遠くの景色のはずなのに、あっというまに流れては消えていく。

出がけに買った文庫本は、結局1ページも開くことはなかった。
かなりの距離を電車で移動したが、最後まで車窓の景色に飽きることはなかった。

▼ 終着

新横浜に着くと寒かった。
横浜からはグリーン券を買って久里浜行きの横須賀線電車で帰る。
旅のときくらいは、こんなささやかな贅沢もいいだろう。

横須賀線のグリーン車は基本的に2階建て車両だが、扉近くの2階建てになっていない部分の席に陣取る。
途中で車掌が、
「よかったら足伸ばしますか」
と言って、前の席を回転させてくれた。
こんなちょっとした心遣いが、旅の終わりを快く演出してくれる。

阪神は3連勝だ。
このまま行けるかな。

今回の旅で、いちばん印象に残ったのはなんだろうか。
旅で見かけたいろんな人達の顔が浮かぶ。
きっとどれもすぐに忘れてしまう顔だろう。
素通りしていく思い出の数々。
ほんのひととき垣間見た情景が脳裏に浮かぶ。

横須賀線の揺れが心地よい。
電車は終点久里浜駅に着いた。
しかし、起きてこない客は、ひとりやふたりではない。

京急に乗り換えようと歩いていると、雨がぱらつきだした。
これまでほとんど雨に降られることがなかったので、とうとう耐え切れずに降り出してきたようだ。

最終日に一日いただけなのに、頭の中は大阪のことで占められている。
日本のようで、日本でない気さえする。
いや、いかにいままで自分が狭い世界で生きてきたかということだろう。
実際には見慣れたはずの町並みまでが、どこか夢見心地だった。


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西日本、転々記 4日目 -神戸-

▼ 鳥取→三ノ宮

朝ブラインドを上げると、あいにくの雨模様だった。
9:00にホテルをチェックアウトする。
駅から近いホテルであることが幸いした。
建物の庇や地下通路を通ったので、傘は使わず、ほとんど濡れずに駅まで辿り着くことができた。

9:26鳥取発「スーパーはくと4号」で三ノ宮へ向かう。
智頭までは因美線を通り、智頭急行を経由して山陽本線へ出る。
鉄路は中国山地の山あいをひたすら南下し、山陰から山陽へ至る。
智頭町は谷川沿いに形成された宿場町といった趣。
車窓にまとわりついた滴が、ひょっとしたらもう二度と見ることもないかもしれない風景を歪める。

本でも読もうかと思っていたが、気がついたら眠ってしまっていた。
目を覚ますと眩しい光に沿線の新興住宅地が燦々と照らし出されていた。
山を抜け、列車は山陽本線に入っていた。
さっきまでとはうって変わった風景のコントラストにめまいがする。
通路越しに右手の窓に目をやると、ちょうど明石海峡大橋が映し出されていた。

今回の旅は、列車に乗っている時間が結構長い。
しかしそのわりには景色を眺めているのに飽きなかったので、わざわざ横浜で買った文庫本にはいまだに手をつけずにいた。

▼ 夜景を……

三ノ宮(JR以外は三宮)に降り立つ。
とりあえず三ノ宮のひとはそんなに歩くの早くはないかな。
なぜかちょっとだけ、一安心。
駅周辺をうろうろして、やっとの思いで観光案内所を探し当てた。
案内所なんだから、もう少しわかりやすい場所に作るか、分かりやすく誘導する案内表示が欲しいところ。

神戸といえば、函館・長崎とともに日本三大夜景のひとつに数えられる。
函館山からの夜景は、昨年見ることができた。
長崎へは学生時代に訪れ、稲佐山からの夜景を見ている。
こうなると、神戸に来て六甲山系からの夜景を見ないわけにはいかない。

ただし神戸は、函館・長崎とは異なり、街の夜景を見下ろす展望スポットは数多い。
鉢巻展望台、天覧台、六甲ガーデンテラスなどが六甲山系に点在している。
そのなかでもとくに日本三大夜景を謳われるのが摩耶山からの眺めだ。
それならばぜひそこへ行ってみようと思っていた。

麻耶山山上の掬星台広場へは「まやビューライン(ケーブルカー~ロープウェー)」に乗る必要がある。
車があればいつでもいける場所だが、シーズンオフの平日ということもあってか、この日はなんと17:30には最後のロープウェーが出てしまう。
この日の神戸の日没時間は17:16だから、ゆっくりと夜景を見ることはとうてい不可能だ。
このことは事前に調べている段階から分かっていて、「まやビューライン」は本当にこの時間に終わってしまうのか、ほかの交通機関はないのか、最悪帰りは徒歩で帰ってくることはできないのか。
その辺りのことまで知っておきたかったのだが、結局ネットだけでは限界があってはっきりしたことは分からなかった。
そこで三ノ宮に着いたら観光案内所へ行くことにしていたのだ。
そこならきっと詳しいことが分かるに違いない。

カウンターにいた女性に尋ねると、やはり麻耶山へはほかに行く術はないとのことだった。
レンタカーや観光タクシーを使うならまだしも、徒歩で戻ることはまず無理だという。
わかりにくく真っ暗な山道を下ることになり、地元のひとでも迷うことがあるという。
真剣に遭難の危険もあるからと、断固とした拒絶の意思を告げられた。
それよりもはるかに行きやすく、夜景を見ることのできる場所はほかにいくつもあるからと。

予想はしていたが、さてどうしようか?
しばらく駅周辺を歩きながら、悩みつづけた。
おとこひとりで観光タクシーはないだろう。
それならばレンタカーがある。
じっさい駅レンタカーの営業所の前に何分佇んでいただろうか。
行こう、いや止めておこう。
本当にどちらを選んでもおかしくないほど、ギリギリのところまで悩んでいた。
そして逡巡のあげく、麻耶山へ行くことはあきらめることにした。

多少の無理をすれば、当初からの思いを成就させることはできたかもしれない。
レンタカーを借り、道路地図を手に入れるだけでいい。
予定外の出費になるが、たいした額ではない。
こういうときに行動に移す勇気が自分にはある。
あとは気持ちひとつだった。
しかし退くことが必要な時もある。

麻耶山へ行くことは、大きな目標のひとつだった。
しかしそれだけがすべてではない。
神戸へ来たらベイエリアにも行ってみたかったし、繁華街をあてもなく歩いて街の雰囲気を生身で感じたりもしたかった。
それがいつもの自分の旅のスタイルだからだ。

いつかもう一度ここへこよう。
そうしてそのときこそは、掬星台からの夜景に見蕩れることにすればいい。
何年か先の自分のために、旅先でひとつやり残していくことも乙なものだ。

▼ メリケンパーク

麻耶山が無理ならば、よりアクセスのしやすい展望スポットへ行けばいい。
じつはそうなったときは六甲ガーデンテラスへ行くつもりでいた。
そうと決まれば時間はたっぷりある。
とりあえず夜景が見られる時間になるまでは、港へ出てみようと思った。

またも三ノ宮駅をうろうろして、適当なバスが出ている乗り場を探す。
そこへちょうどやってきたバスが、メリケンパークを通るようだ。
なんとなく飛び乗ってみる。
後ろから乗って、均一の料金200円は降りるときに払うようだ。

新しい高速道路の橋脚の下でバスを降りる。
メリケンパークは、美しく整備された広大な敷地に神戸海洋博物館やホテル、波止場を備えている。
入って最初に目に付いたのが、神戸港震災メモリアルパークだ。
阪神淡路大震災で被災したメリケン波止場の一部を保存してパネルの展示場を設けた、さして広くない一角である。
じつはここも旅に出る前から来ようと思っていた場所だった。
斜めに崩れ、でこぼこになった岸壁の姿が、周囲の真新しい建物のなかで異質に映る。
けれども次の瞬間には考えが変わっていた。
どちらかというとホテルや博物館の建物のほうが、不自然に際立った美しい造形を放っていたからだ。


頑丈そうな橋脚


震災メモリアルパーク


1963年からここにある――神戸ポートタワー

ポートタワーから中突堤中央ターミナルへ歩いていく。
遊覧船へ呼び込む係員の声が響く。
そういえば、お腹が減っているのを忘れていた。
これといってそそられる店もないので、とりあえず缶コーヒーで誤魔化しておく。
そこから散歩がてら、元町駅まで歩いて出た。
道すがら聞こえてくる子供たちの会話も、当然ながら関西弁だ。
そんなことを必要以上に意識しているのは、それが自分にとってはこの町を感じるいちばん手っ取り早い方法だったからかもしれない。

▼ 六甲山

歩きづめでさすがに少し疲れていた。
駅では、リメイクされた「いい日旅立ち」のメロディーが流れていた。
たったひと駅ではあるが、元町から三ノ宮へ電車で戻る。
15:10ホテルにチェックイン。
16:00にはふたたび外出。
六甲山を目指す。

JRばかりではつまらないので、阪急三宮駅から六甲駅へ移動。
さらに市バスで六甲ケーブル下へ。
ここから六甲ケーブルで六甲山上へ登る。
切符売り場の係員によると、山頂は風が強くなってきているとのことだった。
所要10分ほどだが、登るほどに寒さが増してくる。
ザックからカーディガンを取り出し、ジャケットの中に着込んで備える。
ケーブルの六甲山上からは、さらに六甲山上バスで六甲ガーデンテラスまで10分かかる。
こうして実際来てみると、函館や長崎のように気軽に見られる夜景ではないことが分かる。
麻耶山から歩いて下山しようとしていた自分の浅はかさに呆れる。

さらにいえば、神戸市街の平地の狭さは想像以上だった。
国内有数の港と背後に迫る六甲山系に挟まれるようにわずかな平地がある。
神戸とはそういう町だったのだ。

きれいな夜景が見られる条件はひと通り揃っているといっていい。
六甲ガーデンテラスの標高は880メートル。
バス、ケーブルカー、バスを使って、そこまでの高さに一気に登って行く。
スケールの大きさが、際立って感じられる。
17:00にガーデンテラスに到着。





洒落た雑貨店やレストランなど、カップルや家族連れに人気のようだ。
西洋の佇まいに統一されて、夜景スポットとしては整備されすぎている感もある。
建物の切れ間に「見晴らしの塔」が建ち、そのすぐ先には神戸の街並みが広がっていた。





着いた頃は明るかったのに、気がつくと日が沈みはじめていた。
高さのある六甲山から見渡すと、大阪湾の先に紀伊半島の付け根となる辺りまで見通すことができる。
ここまで来ると、景色というよりも鳥瞰図だった。





▼ 夜の神戸

風は絶え間なく吹いていて、時間とともに気温も下がっていく。
寒さが増すなか小雨もぱらつき出したので、ふたたびバスでケーブル山上へ戻った。
ケーブルカーに乗り込むと、同乗したのは麓の切符売り場にいた若い係員だった。

行きとは違う道で帰ろうと思い、JRの六甲道駅へ向かった。
三ノ宮へ出る電車の中で周りにいるひとたちを見ていると、言葉や気質が多少違ってもやはり同じ日本人だなと思わせられる。
三ノ宮で目的もなくひとの流れに身を任せて歩いていると、延々とつづくアーケードに出た。

気がつくと中華街をさまよっていた。
お腹が減っていることを思い出し、「北京菜館」という名の店先で売られている月餅を買い食い。
しかし夜も8時近くになっていいかげんきちんとした食事をとる気になり、何となく目に付いた店に入った。

「燕楽」という看板をかかげた店の2階に案内されると、メニューの中からワンタンセットを注文した。
ワンタンに、チャーハンと点心(豚まん)が付いている。
もちろん生ビールをつけることも忘れなかった。
周りの丸テーブルはおおむね宴会状態。
さすがにひとり客は少ない。

食後のデザートにと思い、「上海飯店」という店の露頭で安売りを始めた唐揚げとごま団子を買って食べた。

缶ビールを買って帰ろうと思ったが、なかなか売っている店がない。
コンビニがあっても酒を置いていない店ばかりだ。
繁華街のど真ん中だから仕方ないが、やっと駅前で小さな酒屋を見つけた。
それにしてもキャバクラの呼び込みが間断なく襲いかかる。
信号待ちの歩行者を狙うのは反則だろう。

駅から程近いところにあるホテルに戻る。
洋館のような造りで、エレベーターもクラシック調だ。
おとこひとりで泊まるには勿体ないくらい雰囲気がいい。
床も絨毯敷きではなくて石造りだ。
ユニットバスでないのもありがたい。

テレビをつけるがあまりにもこの部屋にはそぐわない番組が多い。
どんなに背伸びしても、やはりここは日本なのだ。


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らーめんランド

JR鳥取駅北口を出て、「大丸」の先右側のアーケードに入ってすぐ。
チェーン店らしい。
うまからラーメン(750円)のギョーザセット(300円)と、生ビール(500円)を注文。
麺はふつうだが、スープはなかなかうま辛くておいしく飲める。
もやし、ネギ、ニラ、にんじん、かいわれ大根、ひき肉など、具もたっぷり。
ギョーザもまずまずいける。
麺が食べ終わりそうな頃、後から思い出したように「ギョーザセットのライスです」と言って、ふつうのお茶碗に盛られたライスが出てきた。
単品で頼むより単純にちょっと安いだけのセットだと思っていたので、ちょっとびっくり。
たらふくだけど、おいしかったので結構満足。

西日本、転々記 3日目 -鳥取-

▼ 松江→米子

宍道湖まで来ておきながら、シジミを食べるのを忘れていた。
しかしもう出発の時間だ。

7時半起床。
8:45にホテルをチェックアウト。

みどりの窓口で営業キロ(運賃計算キロ)にして1,000kmオーバーの乗車券を購入。
しめて12,290円。
途中経由する区間を申請して、最終日まで使用する通しの切符だ。

9:24発の各駅停車米子行きに乗車。
入線してきた電車内には結構たくさんのひとが乗っていて、座れなかったらどうしようかと心配したが、松江駅でほとんどのひとが降車。
ボックスシートで足許もゆったりとした車両だ。

今日も好い天気。
駅間が長いため、普通のわりには結構スピードを出す。

揖屋駅を出ると、左には中海が見えてくる。
宍道湖もそうだが、想像していたよりもずっとスケールが大きい。
荒島駅で小学生の群れが乗車。
たちまち小学生の遠足列車と化した。

米子からは「快速とっとりライナー」に乗り換える。
各駅停車だと2時間半の道のりが、これだと1時間半で鳥取に着く。
45分ほど待ち時間があるので、途中下車。

吾左衛門」という駅構内の店で、朝食代わりにてんぷらそば(480円)を食べる。
寿司を本業とする店のようだが、構わずそばを啜る。
さらに売店で伯耆坊(発売元:彩雲堂)というお菓子を見つけたので買ってみる。
入線を待つあいだホームでパクッ。


求肥を小豆で包んだ食感が懐かしい

▼ 米子→鳥取

今度の車両もボックスシートだが、海側の席が取れず、止む無く山側へ。
それならば途中で大山が見えるかと思ったが、どこからどこまでが大山なのか良く分からなかった。

いつのまにかうたた寝していたが、鳥取に着く少し前に目を覚まし外を見ると、陽光に眩しき湖山池の姿が映し出された。
見えていたのはほんの数秒だった気がする。
湖山池に行くのは時間的に無理かなと思っていたのだが、やはり行ってみようと急遽予定を変更。

初めて乗る電車では、進行方向にたいしてどちら寄りに座るかでずいぶん車窓の雰囲気も変わってくるだろう。
右を見るか左を見るかで、ひょっとしたら旅の印象まで大きく異なってくるかもしれない。
いっぽうは海かもしれないし、もういっぽうは山かもしれない。
もしこのとき湖山池とは反対の窓側に座っていたら、あるいはそれ以前にうたた寝したまま目が覚めなかったら、湖山池へと足を伸ばすことはなかっただろう。

▼ 湖山池

鳥取駅で大きな荷物をコインロッカーに預け、切符を買って鳥取大学前駅へ戻る。
それでも午後2時くらいには、また戻って来れるので、それから砂丘に行くことにする。


まっすぐな線路はとても気持ちいい

鳥取大学の正門前を左に逸れ、大学の敷地の外周を縫うように歩く。
湖山池が開けてくる辺りには、日本海への注ぎ口となっている湖山川が流れていた。

そこで右に折れ、湖山池の北岸を歩く。
舗装された道路沿いにコンクリートの低い堤防が続く。
その下は10メートルくらいのへりがあって、その先が湖になっている。
すすきや背丈のある草が密生していて、道路からは遠い池の様子しか窺い知ることはできない。



写真を撮ったりしながらのんびり歩いていたので、小1時間で駅に戻るというわけには行かなくなってしまった。
帰りに乗ろうと思っていた電車にはもう間に合わないだろう。
携帯電話のサービスメニューの中からJRの時刻表を探し出す。

右手にあった学校の敷地が途切れると、あとはもう田畑が広がっているだけだった。
それももうほとんどは、稲刈りの済んだ休耕田であった。
取り立てて見るものはなかった。
印象に残るのは、青い空と一定の間隔で屹立する電柱だけだ。
気紛れに訪れ、一生のうちに二度と見ることもないであろう景色が広がる。
真っ白で優雅な鳥が一羽、目の前を横切る。
最初に乗ろうと思っていた電車の汽笛が彼方で聞こえた。






久しぶりに見た気がする――有刺鉄線


まっすぐなのが何ともいえない

結局たっぷり1時間半ほどして駅に戻った。
ちょうどいい電車がなさそうだったので、タクシーで鳥取砂丘へ行こうかと思った。
しかし14:29の「とっとりライナー」は鳥取大学前駅に停まるようだ。
さっき乗ってきた「とっとりライナー」はこの駅を通過したのでてっきり止まらないと思っていたのだが、助かった。
これに乗って、ふたたび鳥取に戻った。

▼ 鳥取砂丘

鳥取砂丘へはとても歩いていける距離ではない。
しかし、どこの乗り場から何というバス停まで乗ればいいのかがいまいちわかりにくい。
どうにも不案内なので、ちょっと難易度高めだ。
なんとか「麒麟獅子バス」という200円均一のループバスで「砂丘センター」まで乗れば良さそうなことが判明する。
だが、シーズンオフの平日とはいえ30分に1本程度しか走っていないのはつらい。
帰りも17時くらいには最後のバスが出てしまうようだ。
夕暮れ時まで砂丘に居続けることはできそうにない。

バスに乗るが、客は3、4人しかいない。
これでは仕方のないところか。
ほどなくして砂丘に到着。
道路のすぐ脇に高台があって、階段が設置されている。
軽い足取りで登り切ると、すぐそこから左右が開け、砂でできた広大な景色が広がっていた。
すぐ先は緩やかに下っていく斜面で、その先から上りに転じ、高い丘へと続いていく。
ちょっとした山と言えないこともない。
とりあえずその丘の頂上を目指して歩き始めた。
しかし、砂だけの景色だからか、距離感がつかみにくい。
丘の頂上まで行って戻ってきたらいったい何分くらいかかるのだろう。


夢にまで見た鳥取砂丘!?

場所によって砂の質が異なるのか、水気によるのか、ソールが埋まるくらい柔らかなところもあれば、若干の砂をかきあげるだけのかたいところもある。
時間が遅いこともあって覚悟はしていたが、たくさんの足跡が目に付く。
それはここが砂漠ではなく観光地であることを顕著に見せていた。

頂上まで来ると、眼下には日本海が迫っていた。
ずいぶん前に福井県の東尋坊を訪れたことがあるが、そのとき見た荒々しい11月の日本海の姿はそこにはなかった。
穏やかな海であった。

丘の海側の斜面を使ってパラグライダーに興じる姿も見られる。
斜面の右から左へ、左から右へ。
月面を飛び跳ねるように軽快に行ったり来たりしている。
風に乗って一気に飛び移ってくることもあれば、途中で足が着くこともあった。
飛び立とうと裸足で斜面を駆け降りるさまは優雅だが、ひとしきり飛んだ後はしばらく休憩をとっていた。
気持ち良さそうに見えて、あれはあれで結構ハードなのだろう。



浜辺まで降りると、波が繰り返したてる音がひときわ大きくなった。
海は、ぼうっと見ているだけで癒される。
さすがに10月の海は冷たそうだった。


オアシス出現(日本海)


足跡を残す


硬そうな鳥が飛んでいく


砂丘をクローズアップ

日が傾いてきていた。
帰りのバスは、17:10に砂丘会館を出る。
バスを待つあいだ土産物屋を物色していたら、鳥取名物砂たまごなるものを発見した。
砂丘の砂で熱し、ほんのり焦げ目の付いたゆでたまごだった。
土産物屋の外のテーブルに座って殻を剥き始めると、首輪を付けた犬が近寄ってきた。
しかし一心不乱に殻を剥いているあいだに、さっさとどこかへ行ってしまった。
写真を撮る隙すらなかった


砂丘の砂から生まれたそうな

▼ 鳥取市街地

駅へ戻るバスの中から、バス停で待つ若い女性を見かけた。
しかしこのバスは彼女が待つバスではなかったようだ。
乗りませんという意思表示か、バイバイをするように小さく手を振っている。
窓越しに何気なく見えたその姿が、不意に目に焼きついた。
バスが発車して後ろに遠ざかる。
もう二度と接点すら持たないであろう行きずりのひと。
旅のあいだは、こんなことの繰り返しだ。

17:45ホテルにチェックインする。
18:25食事がてら外出。
結構交通量は多く、きのう歩いた松江とは差がある。
ともに県庁所在地であり似たような人口と面積を有している町なのに、ちょっとしためぐり合わせでひとりの観光客が感じる印象はずいぶん異なってくるようだ。

そんなことを考えながら繁華街を散歩する。
たぶん結構キョロキョロしながら歩いているので、土地の人が見たらすぐに浮いていることは分かるだろう。
気がつくと賑やかな場所から外れていて、商店と住居が混在する古びたそしてとてもありふれた町並みのなかに入り込んでいた。

結局小1時間歩き回った挙句、一軒のラーメン屋に入った。
「らーめんランド」というちょっと悲しげな名を冠した店は、できて間もないのか、わりとこざっぱりとしていた。
うまからラーメンとギョーザセットに、生ビールも頼む。
麺はオーソドックスだが、結構辛めのスープはことのほかうまかった。
ラーメンを食べ終わりそうな頃になって、思い出したようにライスが出てきた。
文字通り忘れていたのだろうが、ライスが付くとは思わなかったので、ちょっとびっくりだ。

ホテルに帰ってから小腹が空いたら食べようと思い、デザートとビールを探し求めた。
駅前で目に付いたミスタードーナツに入る。
ちょうど100円セール中だったらしく、2個買って210円。
駅に併設されたコンビニ「Heart・in」でビールと朝食用のパンを購入。
「天王山・京都西山水系」のモルツがいつも以上にうまく感じられた。


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善ちゃんラーメン

JR松江駅近く、ホテルアルファーワン松江の前に常設された屋台のラーメン屋。
夕方から営業し始めるようだ。
チャーシューラーメン(800円)と餃子(300円)を注文。
しょうゆがベースのスープからは、どことなくとんこつぽさも漂ってくる。
もやしは湯切りしてからのせていた。
チャーシューはすでに切ってあるものだったが、わりとおいしい。
麺の茹で加減はまずまず。
パックから出された餃子はいまいち。

西日本、転々記 2日目 -松江-

▼ 出雲

午前0時ごろだっただろうか?
うたた寝していた状態から、いつのまにか眠りに落ちていた。
途中何度か目を覚ましたが、午前9時半に目が覚めた。
ちょっと寝すぎたようだ。

定刻通りに出雲市駅に到着。
まずまずの天気だ。


ブルートレインのイメージを払拭した「サンライズ出雲」

この日の宿泊先は、ここから東に30kmほど戻った松江である。
「サンライズ出雲」にとっては、終着出雲市のふたつ手前の停車駅だ。
出雲市まで来たことにとくに意味はなかった。
せっかくの寝台列車の旅だから、少しでも長いあいだ乗っていたかっただけだ。
来たばかりではあるが、いまさっき通ったばかりの松江へ戻る。
ただ戻るだけでは面白くないので、JRではなく一畑電車で松江へ向かう。

一畑電気鉄道株式会社が運営する一畑電車は、宍道湖北岸を走る総延長42.2kmのローカル線だ。

路線は大社線と北松江線からなる。

大社線:出雲大社前~川跡
北松江線:電鉄出雲市~川跡~松江しんじ湖温泉

大社線~北松江線直通の電車は1日に数えるほどしかない。

電鉄出雲市駅は、JRの出雲市駅とは目と鼻の先。
松江しんじ湖温泉駅とJR松江駅とは2kmほど離れている。

電鉄出雲市駅は新しくきれいな建物だが、昔ながらの有人改札。
自動改札でもなく、無人でもなく、駅員にパンチを入れてもらった駅は、今回の旅ではここだけだった。

2両編成の古い車両は、黄と青の鮮やかなカラーリングだ。




旅といったらローカル線である

園駅~長江駅間は、本当に宍道湖北岸すぐのところを走るが、最初のうちは宍道湖は見えない。
数メートルの高さの土手が立ちはだかるからだ。
しかし逆にこの土手が、その向こうにあるはずの水辺を強く感じさせるのだった。
土手の上は道路になっていて、逆光の先にはランニングする中学生くらいの影が延々と続いていた。

▼ 松江

松江しんじ湖温泉を降りると、すぐ目の前は宍道湖だ。
想像以上に広くて大きい。
そして隣り合った中海は宍道湖よりも広く、ともに淡水と海水が混じりあった汽水湖である。


穏やかな宍道湖

とりあえず松江駅へ向かって湖岸を歩く。
すぐに目に付くのが水鳥だ。
真っ白で大きなからだつきをしているのはハクチョウだろうか?
群れをなして湖面をすいすいと滑っていくのはカモだろう。
からだ全体が青っぽく、あたまの一部が紺色なのはアオサギというらしい。


飛んでいる姿はとても優雅

大橋川にかかる宍道湖大橋を渡るとたもとには白潟公園が広がる。
宍道湖のもっとも東岸に位置するので、夕方になったらまたここにこようと思った。




下の信号はたぶん工事用の仮設

松江駅までやってきたが、平日の昼間だというのに、なんともまったりとしてひとが少ない。
島根県の県庁所在地ってここでいいんだよなと、ちょっと不安になる。

昼になって気温も上がってきた。
お腹も減ったので、駅のすぐ横にある一畑百貨店へ入る。
定石通り飲食店は最上階のようだ。
といっても「銀座ライオン」と奥出雲手打ちそば処「一福」の2店のみ。
あとは下層階に喫茶店があるだけだ。
でもまあ出雲そばは食べようと思っていたので、迷わず「一福」へ。

昼時だから仕方ないとはいえ、これが結構混んでいる。
しかもほとんど女性客だ。
ただし平均年齢はおそらく50歳を超えているだろう。
明らかに自分が最年少である。
しかし店前で待つ。
ここであきらめたら、次にいつ食事の機会が訪れるか分からない。
旅先では食べられるときに食べる。
これは鉄則だ。

しばらく待つと、窓際の景色のいい席に案内された。
思ったよりも店内は狭い。
ひとり客というのも自分だけのようだ。
しかし負けない。
そば定食(冷)とビールを注文。
やや色の濃い出雲そばは、少し太めだが喉越しもよく美味。
それ以上にうまいのが、ヱビスビールの生だ。
お代わりしたいのをなんとか堪えて店を後にする。

駅前ではなんだか真っ赤なパラソルを広げて真っ赤な紙袋を配給している。
何とかBBとやたらうるさい。
旅行気分が台無しである。

日の入り(17:26)まではまだずいぶん時間はある。
まつえウォーカー(100円バス)に乗って、松江城を目指した。
天守閣は有料なので入らずに、城山公園内を散策。






お堀に囲まれた松江城






松江はたしかに「水の都」である

帰りは徒歩で駅に戻る。
コインロッカーから荷物を出して、ホテルにチェックインする。
一休みしてから、白潟公園へ向かった。
大橋川沿いに歩くうちに、正面の空が赤みがかってきた。
自然と早足になる。
川の流れはとても穏やかで、よく見ないとどっちに流れているのか分からなくなりそうだ。

▼ 宍道湖

河岸がひときわ広くなったところに宍道湖大橋がかかる。
橋の下をくぐると、その先は宍道湖だ。


急がないと日が沈む!!

白潟公園は、凪いだ湖面ギリギリまで近寄ることができた。
一度沈み出した夕日は瞬く間に高度を下げていく。
ほとんど波立たない宍道湖の遥か西方で、みるみる山の端に吸い込まれるように消えていった。
海や川や湖といった水辺の風景は、見ているだけで癒されるものだ。




ぼうっと夕日を眺めるにはいい場所である――白潟公園

旅の途中という意味で、私にとってきょうは特別な日かもしれない。
それなのに、宍道湖の夕日が当たり前のようにきれいなのはどうしてか。
そんなことを考えながらホテルへ戻った。

ホテル下の「善ちゃんラーメン」は、常設の屋台といった趣き。
チャーシューラーメンと餃子を注文して、木のベンチに座って待つ。
可もなく不可もなく。
ちょっと割高に感じられる。
屋台でラーメン食べるのは初めてだったかもしれない。



それにしても地方都市のビジネスホテルだけあって、料金設定はリーズナブル。
しかし満足度はかなり高い部屋だ。
清潔で広く、明かりも十分にとれる。
ソファにテーブル、作業机に椅子と、一通り揃っている。
セミダブルのベッドは寝心地も抜群だ。
唯一の欠点は、部屋に冷蔵庫がないこと。
ほかには文句のつけようがないだけに、非情に残念。

宍道湖に浮かんでいたクラゲを思い出しながら床に就いた。


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西日本、転々記 1日目 -横浜-

▼ 横浜

19:43のバスで駅へ向かう。
横浜に着くと、すぐにヨドバシカメラへ向かった。
128MBのコンパクトフラッシュ(CF)を買うためだ。
車中泊を含めて4泊5日の旅に、いまある128MBのCFだけでは心許ない。

予約してある「サンライズ出雲」は横浜22:24発である。
まだずいぶん時間はある。

腹ごなしに相鉄の2F改札前にあるカレー屋へ。
ほんの少し前までは、「ベイリーフ」という名で10年以上前から営業していたカレー屋だった。
いったん店仕舞いしたかと思っていたら、居抜きで「カレーショップC&C」と名を変え、リニューアルオープンしていた。
基本的なメニューはあまり変わらない気がするが、店の外に食券機が導入され、トッピングメニューは豊富になった。
明らかにチェーン店と化してしまった。

厚切りロースカツカレーを注文する。
味は可もなく不可もなく。
以前の「ベイリーフ」もとびきりおいしいというほどではなかったが、居心地は悪くなかった。
新しい店は、どことなくシステム化された印象を受ける。

ザ・ダイヤモンド地下街の有隣堂で文庫本を購入。
車中のおともにする予定。

ロッカーに預けていた旅行鞄を持って「みどりの窓口」へ行く。
出雲市までの乗車券を購入。
窓口を出てすぐ目の前のキオスクで、ビールやつまみやミネラルウォーターを仕入れる。

改札のすぐ上にある電光掲示板で到着するプラットホームを確認すると、6番線のようだ。
下り東海道線と同じホームだ。

帰宅の乗客に混じって8号車の乗車口で「サンライズ出雲」を待つ。
定刻通り到着。
停車時間は1分だ。

▼ 西へ

胸のうちの特別な思いとは関係なく、列車は当たり前に線路を滑り出す。
次の停車駅は熱海だ。
個室にはラジオが据え付けられていて、BGMにはちょうど良い。
上着を壁のハンガーに掛け、靴下を脱いでくつろぐ。


大型の1枚ガラスがとても贅沢

「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」は岡山までは併結され、そこから二手に分かれて運行する夜行寝台特急だ。
夜行寝台というとブルートレインに代表される青い車体が闇の中を疾駆するイメージだ。
しかしサンライズは少し異なる。
その名の通り「日の出」をイメージした車体は、明るいクリーム色を基調に上部は大胆な赤い帯がかかったカラーリングを施されている。
たとえその姿は奇抜でも、寝台列車の魅力は少しも失われることはない。


ビールに月餅は本当によく合うのである

心地好い揺れ。
汽笛の子守唄。
ただ移動しているだけなのに、なんとも厳かな時間の流れ。


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西日本、転々記



西日本、転々記



-松江・鳥取・神戸・大阪-








 ■ 1日目 2003年10月20日(月)
 横浜→(サンライズ出雲)
 ■ 2日目 2003年10月21日(火)
 (サンライズ出雲)→出雲市→(一畑電鉄)→松江
 ■ 3日目 2003年10月22日(水)
 松江→鳥取
 ■ 4日目 2003年10月23日(木)
 鳥取→(スーパーはくと4号)→三ノ宮
 ■ 5日目 2003年10月24日(金)
 三ノ宮→大阪→大阪市内→大阪→新大阪→(のぞみ188号)→新横浜→横浜


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